作業前の準備とし、異物、埃等の油圧回路への侵入を防ぐため、必ず、フィラーキャップ、及び、オイルフィルターキャップの周囲を清掃してください。作動油交換のみの場合も同様の方法ですので、下記をご参照ください。 また、天板は必ず締めた状態で作動油交換は行ってください。天板を開けると作動油内に混じった鉄粉が電気回路内に侵入し故障を引き起こすだけでなく、感電の恐れもあります。
1)底部のドレンボルトを緩めて(写真1)、作動油を排出してください。 又は、黒いフィラーキャップを空け、オイルを手動ポンプ等で吸い出してください。 どちらかと言えば、上から吸い出す方法をお勧めします。
2) 次に、オイルフィルターキャップをゆっくりと空けてください。(写真2) この時、作動油が溢れ出る事がありますので、ご注意ください。 その理由は、左右2つのタンクは内部の底、及び、ブリーザー・チューブで繋がっていますが、粘土の高い作動油は左右のオイルタンクのレベルが一定になるには時間がかかるためと、フィルター側のタンクは密閉され通常は作動油が常に一杯の状態です。上から空気が入る事で初めて、オイルフィルター側のタンクから、もう一方へのタンクへ作動油は流れ始めるためです。
3) 古いオイルフィルターを抜き出してください。(写真3) そして、残っている作動油を手動ポンプ等で吸い出してください。
4) 新しいオイルフィルターを、挿入してください。(写真4) このとき、 青色のプラスチック製、ブリーザーチューブ(写真4、赤色矢印部)が噛み込まず、フィルターの脇に位置するように注意してください。
5) 新しいオイルフィルターを挿入するとフィルターの天部は、天板の裏位置の高さに収まり座りよく入ります。(写真5)
6) フィラーキャップ(黒色)を締め、フィルター側のタンクから作動油を充填します。 フィルターが新品の場合は作動油が浸み込むのに時間がかかります。 (写真6)
7) フィラーキャップ(黒色)を空けオイルレベルゲージの1/2のあたりまで、作動油を充填します。(写真7) そして、その時にフィルター側が一杯までなっている事を確認してください。次に両方のキャップを締め、パワーパックを電源に接続しアイドリングでゆっくりと回転させてください。 しばらく回転させた後、オイルレベルを再チェックしてください。 オイルレベルが下がれば、再び1/2のあたりまで、注ぎ足し、再度、アイドリングでゆっくりと回してください。 回路内に残っていた空気は作動油内に混入し作動油は白濁していますが、空気が抜けだした量ほど、作動油を注ぎ足しながら、ゆっくりとアイドリングを続け、濁りがなくなるまでこの作業(エア抜き)を繰り返してください。 この作業は時間を要しますが、配管内に残った空気は出力低下を引き起こしますので、念入りにお願いします。
補足: 新品のホースを使用開始する際や、油圧カプラー交換を行った際にもこの7)の項目のエア抜きの作業を行ってください。 新品のホースの場合は、パワーパックの圧力側と戻り側にループ状にホースを接続し、パワーパックをゆっくりとアイドリングさせる事でエアを抜き出してください。
オイルフィルター : トラクティブ60130100
作動油 : モービルDTE10 (ISO粘度グレード46)
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